確定申告書の提出とは
日本の税金は申告納税制度に基づき徴収される仕組みになっています。
申告納税制度とは納税者が納めるべき税金を自分で計算し、確定申告書に記載、税務署に提出することです。この確定申告書を提出する方法は、紙であったり、国のe-Taxというシステムにより、データによる電子申告が可能です。
以前は紙による提出が主流であったのですが、国の施策により、電子申告の推進が行われ、現在では電子申告も大分普及が進んできています。
その電子申告ですが、将来的には義務化となりそうです。
電子申告の義務化
内閣府の規制改革推進会議に設けられた行政手続部会は、行政手続コストの削減策の一つとして国税と地方税の電子申告の利用率向上をテーマに挙げており、各省庁に対し本年6月末までに基本計画を作成し、公表することを求めていました。
これを受け、財務省は平成29年6月30日付で「行政手続コスト削減のための基本計画」の公表を行いました。
大法人は電子申告(e-Tax)利用率100%
基本計画によると大法人については、法人税・消費税の電子申告の義務化を平成29年度に検討を開始し、早期に結論を得るとの記載があります。注目すべきは、添付書類を含めて電子申告の義務化を検討するとの記載です。
現状では、財務諸表や科目明細を電子申告するためには、国税の書式に合わせたものにする必要があるため、非常に手間がかかります。そのため、例えばエクセルで作成している場合等では、確定申告書は電子申告を行い、財務諸表や科目明細は紙で提出する会社が多いという現状です。
仮に添付書類を含めて義務化が行われる場合には、e-Taxの使い勝手の向上次第ではありますが、早期の対応が求められるため、今後の動向に留意が必要です。
中小法人は電子申告(e-Tax)利用率85%以上
基本計画によると中小法人であっても電子申告の利用率は85%以上という高い目標が掲げられています。
将来的には利用率100%・義務化となる方向ですので、申告書の作成を依頼している税理士が電子申告に対応しているかを確認したりするなど、今のうちから対応を考えておいた方が良さそうです。