パート・アルバイト収入がある主婦の方の手取りを最大限残す働き方について、税金面に続き社会保険について考えていきたいと思います。
※主婦の方はパート・アルバイト収入のみ、夫は給与収入のみを想定して記事を書いています。
※手取りを残すためには、社会保険だけでなく税金面についても考慮が必要です。
税金編もあわせてご確認ください。
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130万円の壁~夫の扶養に入るためには~
夫の扶養に入るための条件
主婦の方は一般的に夫の社会保険上の扶養に入っている場合が多いと思います。夫の扶養に入っていれば、健康保険料を負担する必要はなく、年金についても国民年金の第3号被保険者としてこちらも負担する必要はありません。
ではパートで働きはじめて、自身で収入を得始めた時に、このまま夫の扶養でいられるのでしょうか?
社会保険上の扶養には収入の条件があり、年間収入が130万円未満のときに、夫の扶養に入ることが出来ます。
(60歳以上であったり、障害がある人の場合等、一定の場合には180万円未満と金額が緩和されています。)
この130万円未満の判定には、所得税と異なり、交通費を含む点に留意が必要です。
※健康保険については、組合ごとにルールが異なる部分が大きいため、一般的な全国健康保険協会管掌健康保険(協会健保)を前提に説明しています。
自身の職場で社会保険に加入しなければならない時
パートで働く場合には自身の職場の社会保険の加入要件にも留意が必要です。労働時間等が一定の基準を超えた場合には、厚生年金に加入しなければなりません。
その基準は以下になります。
・「1ヶ月の労働日数」
・「1日または1週間の労働時間」
上記のいずれもが、職場で同種の業務に従事する通常の労働者のおおむね4分の3以上かどうかで判断されます。この4分の3以上とは、一般的には法定労働時間8時間×平日5日=週40時間×3/4=週30時間を判断の目安にするようです。
4分の3以上であると判断された場合には、パートさんも正社員と同じように厚生年金に加入し、被保険者になります。
年収が130万円未満で夫の扶養に入っている場合でも、自身の社会保険の加入が優先されます。
被保険者になれば、当然ですが、健康保険料と厚生年金保険料が給与から天引きされることになります。
106万円の壁
平成28年10月からは法改正により、1(2)で述べた基準を満たしている場合でも、自身の職場の社会保険に加入しなければならない場合があります。
以下の表が新たに出来た基準になります。(厚生労働省のHPより引用)
注目すべきは職場の従業員数での判断基準です。(形式基準として一番明確)
つまり従業員数が500人以下の職場で働いている場合には、今回の改正を気にする必要はありません。従業員数が500人を超える場合には、週20時間未満の労働時間で、年収を106万円未満にしないと社会保険の加入対象となる可能性が出てきます。
まとめ
・職場の従業員数が500人以下である場合
年収額(交通費含む)を130万未満として、おおむね週30時間未満を目安として働けば、夫の扶養に加入でき社会保険料の負担は生じない。
・職場の従業員数が500人超である場合 その他一定の条件を満たしている場合
年収額(交通費含む)を106万未満として、おおむね週20時間未満を目安として働けば、夫の扶養に加入でき社会保険料の負担は生じない。
以上の条件を考慮しながら働けば手取収入が手元に多く残ることになります。