会社の活動と税金はきってもきれない関係にあります。個人が所得税を納めるのと同じように、会社が得た所得(≒税引前当期純利益)に対しても、法人税と呼ばれる国税がかかります。
また、地方税(都道府県や市区町村が課税する税)に法人住民税や法人事業税があり、課税売上高が1,000万円を超えた場合等には消費税を納める必要も出てきます。
その他、日常業務の中では、領収書や契約書を作成した場合の印紙税、海外から原材料や製品などを輸入する場合の関税、社用車がある場合には自動車税がかかってきます。
これらは、法人税、法人住民税を除いて、おおむね税務上の費用として、会社の収益から控除する(損金に算入するといいます)ことができます。
ただし、申告漏れや税逃れなどに対するペナルティとしてかかる税については、損金に算入することができません。
会社が納める主な税金
以下の税金は、毎期確定した決算に基づき確定申告書を作成し、税務署等に提出・納税をする必要があるものです。重要性は高いです。
法人税(国税)
・重要性 ◎
・内容
すべての法人の所得に対して課税される。個人の所得税のように所得に応じて税率が高くなる累進税率ではなく比例税率であり、H30年4月1日以後の開始事業年度であれば23.2%が適用される。(中小企業であれば年間所得800万円以下の部分は15%となる。)決算書にもとづき年度ごとに課税される。
・税務上の取扱い 損金に算入はできません。
地方法人税(国税)
・重要性 ◎
・内容
地方法人税は、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から創設された国税であり、法人税の申告義務がある法人が、法人税額4.4%(税率)を国(税務署) に対して申告納付します。
・税務上の取扱い 損金に算入はできません。
法人住民税(道府県税・市町村税)
・重要性 ◎
・内容
すべての法人に対して課税される地方税。道府県民税(東京都では都民税)と市町村民税(東京23区では特別区民税)とがある。税額は法人税割と均等割の合計額。
・法人税割
法人税額に応じて課税される。
・均等割
所得の多寡に関わらず、資本金や従業員数に基づいて均等に課税される。
・税務上の取扱い 損金に算入はできません。
法人事業税(道府県税)
・重要性 ◎
・内容
事業を行っているすべての法人に課税される。事務所又は事業所が所在する都道府県に納税する。原則として法人の所得に対して課税される。(資本金1億円超の法人には外形標準課税が適用される。)
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
消費税及び地方消費税(国税・地方税)
・重要性 ◎
・内容
前々年度の課税売上高が1,000万円超の場合に納税義務が生じる(1,000万円以下の場合は免税事業者)。資本金1,000万円未満で開業または設立から2事業年度を経過していない場合は免税事業者となる。ただし資本金が1,000万円以上の場合には初年度から納税義務を負う。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
消費税の納税義務についてはこちらをご参照ください。
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会社が納めるその他の税金
以下の税金は、特定の場合に該当した時に納める必要が出てくる税金や日常業務の中で生じてくる税金です。
事業所税(市町村税)
・重要性 〇
・内容
東京都などの政令指定都市において都市環境の整備を行うために事業所などに対し課税される税金。事業所等の床面積の合計が1,000平方メートルを超える規模で事業を行う場合には資産割、事業所等の従業者数の合計が100人を超える規模で事業を行う場合には従業者割が課税される。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
関税(国税)
・重要性 △
・内容
海外から物品を輸入した場合に課税される税金。海外取引が生じる場合に納めることになる税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
酒税(国税)
・重要性 △
・内容
酒類の醸造や販売に課税される税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
軽自動車税(市町村税)
・重要性 △
・内容
軽自動車を所有している場合に課税される税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
自動車重量税(国税)
・重要性 △
・内容
自動車検査証の交付時等に課税される税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
固定資産税・都市計画税(市町村税)
・重要性 〇
・内容
土地や建物等の不動産を保有している場合に課税される税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
不動産取得税(道府県税)
・重要性 〇
・内容
不動産の取得時に課税される税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
登録免許税(国税)
・重要性 〇
・内容
不動産や会社登記などの場合に課税される税金。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
印紙税(国税)
・重要性 〇
・内容
領収書を発行したり契約書を作成した場合に課税される税金。印紙を貼付し消印することで納付する。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
会社が納めるペナルティの税金(附帯税(附帯金))
以下の税金は、修正申告や提出期限後に確定申告書を提出した場合に生じてくるペナルティ的な税金です。
利子税(国税)
・重要性 ◎
・内容
申告・納付の延長が認められている場合に、延納期間中の税額に対し年1.6%の税率で課税される。税率は毎年見直しがされる。
・税務上の取扱い 損金に算入できます。
延滞税(国税)、延滞金(地方税)
・重要性 ◎
・内容
法定納期限を過ぎて納付した場合の遅延利息的なもの。納期日の翌日から2ヶ月(地方税では1ヶ月)までは年2.6%、それ以降は年8.9%の税率で課税される。税率は毎年見直しがされる。
・税務上の取扱い 損金に算入できません。
加算税(国税)、加算金(地方税)
・重要性 ◎
・内容
申告をしない、あるいは申告内容に不備がある場合の制裁的なもの。過少申告加算税(金)、無申告加算税(不申告加算金)、重加算税(金)などがある。
・税務上の取扱い 損金に算入できません。
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