会社によって給与形態は様々だと思いますが、特に違いがあるのが賞与の支給の仕方だと思います。
一般的なのは年に2回(1回であったりその他複数回)に分けて特定の日に支給されるケース、もう一つは賞与相当分を12ヶ月で割って毎月のお給料に含めて均等に支給されるケース(これは年棒制と言われています。)。
会社によってはこの支給の仕方について、自分で選択が可能な場合があります。
今回は賞与の毎月均等支給と年2回支給の場合のメリット・デメリットを見ていきます。
メリット・デメリットを考える上でのポイント【賞与or年棒制】
賞与を12分割し月給として均等に支給(以下、均等支給といいます。)を受ける場合と年2回等の特定日に支給(以下、年2回支給といいます。)を受ける場合のメリット・デメリットを考える上でポイントとなる点は以下のようになると思います。
・キャッシュインのタイミング
・標準報酬月額が変わる
均等支給の場合には、均等に分割したものが毎月支給されることになりますので、年2回支給に比べると、早期に資金が支給されることになります。
年2回支給の場合には支給の判定日までに在籍している必要があると思いますが、均等支給の場合にはそれを気にする必要もありません。
賞与相当分が毎月均等支給されるということは、当たり前ですが年2回支給に比べると毎月の給与が多くなります。
これは社会保険料の算定で用いられる標準報酬月額を押し上げることになり、毎月の社会保険料を多く負担することになります。
しかし、特定の日にまとまった賞与の支給はないため、その分の社会保険料の負担はありません。
そのため、社会保険料の負担総額といった面では、均等支給と年2回支給では大きな差異は生じません。(厳密には計算の方法により、差異が生じる可能性はあります。)
実は標準報酬月額は社会保険料の算定で用いられるだけでなく、それ以外の場面でも用いられる場合があります。
詳しくは以下のメリット・デメリットの中で見ていきたいと思います。
メリット
均等支給の場合を想定してメリットを考えていきたいと思います。
(年2回支給のメリット・デメリットは、均等支給の場合のメリット・デメリットの裏返しになります。)
〇早期にキャッシュインするため資金繰りがよくなる・資金計画が立てやすい
〇会社を辞めようとする場合に賞与支給判定日を気にする必要がない
よく賞与を貰ってから会社を辞めるという話を耳にしますが、均等に貰っている場合は働いていた月までのものが貰えますので、退職時期を自由に決めることができます。
デメリット
こちらもメリットと同様に均等支給の場合を想定してデメリットを考えていきたいと思います。
(年2回支給のメリット・デメリットは、均等支給の場合のメリット・デメリットの裏返しになります。)
〇標準報酬月額が増加するため、高額療養費制度に影響が生じる
高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
この自己負担限度額ですが、実は標準報酬月額を基準に限度額が定められています。
そのため、標準報酬月額が増加すると、高額療養費の自己負担額が増える可能性があります。
大きな病気をした場合等、医療費が多額になったときに影響が出てきます。
〇標準報酬月額が増加するため、会社退職後に健康保険の任意継続を考えている場合に健康保険料が大きくなる
次の会社にすぐに転職する場合を除いて、会社を退職した場合には国民健康保険に加入するか、退職前の健康保険に任意継続する必要があり
国民健康保険料は前年の所得等を基準に決定され、健康保険の任意継続の場合の保険料は、一般的には退職前の最終標準報酬月額を基準に保険料が決定されます。(加入している健康保険組合によって異なりますので確認が必要です。)
標準報酬月額が大きければ、任意継続する場合の保険料も増加することになります。
〇賞与をもらえるワクワク感がなくなる
まとまったお金が入ってきたときには嬉しくなりますが、毎月均等に分散されて支給されますので、高揚感はあまりないかもしれません。
まとめ
メリット・デメリットを見てきましたが、デメリットは限定的だと思います。
大きな病気をしたとき、会社を辞めるときに影響が出てきますので、よく考えて選択しましょう。
【編集後記】
昨日今日と家族で海に行く予定でしたが生憎の台風で中止。
今日はおとなしく近所の公園に子供と遊びに行きました。