平成30年7月の豪雨により被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。
今般の豪雨により、財産に被害を受けた場合や、国税の納付が困難となった場合には納税の猶予等の納税の緩和制度を受けることができます。
国税庁より正式なアナウンスが出ていますので、ご紹介致します。
納期限がまだ到来していない場合・・・災害により財産に相当な損失を受けた場合の納税の猶予について(国税通則法第46条1項)
納税猶予の対象となる税金は?
災害がやんだ日以前に納税義務が成立しており、災害により財産に損失を受けた日以降1年以内に納期限が到来する国税が対象となります。
例えば法人税の場合には、納税義務の成立は事業年度終了の時となりますので、その後納期限(事業年度終了の日から2月後、納期限の延長をしている場合には3月後)までに災害を受けた場合が対象となります。
国税の例を挙げると、所得税、源泉所得税、法人税、消費税が該当し、予定納税することになる金額も対象に含まれます。
納税猶予の適用を受けるための要件は?
納税猶予の適用を受けるためには次の要件を満たすことが必要です。
〇 災害による財産損失の被害額が全資産額のおおむね20%以上であること(保険金等により補てんされる金額は損失額から控除)
〇 災害のやんだ日から2月以内に(3)で記載する「納税の猶予申請書」を税務署に提出すること
申請方法はどうしたらよいの?
納税猶予の適用を受けるためには、「納税の猶予申請書」(下記に申請書を転載します。)を税務署に提出する必要があります。
「納税の猶予申請書」には添付書類として被災明細書の添付が必要になります。
被災状況が判明するまでに日時を 要するときは、税務署に状況を伝えたうえで、後日、被災明細書を提出することでも問題ありません。
なお、被災明細書に代えて、市町村が発行するり災証明書又は税務職員の申請者の方への聴き取りによる方法でも可能とのことです。
納税の猶予の期間はどれくらい?
原則として対象となる国税の納期限から1年以内(納期限を延長している場合には、延長後の納期限から1年以内)となります。
具体的には次のとおりとなります。
〇被害額が全資産の額の 50%を超える場合・・・原則1年
〇被害額が全資産の額の 20~50%である場合・・・原則8月
〇予定納税に係る所得税並びに中間申告の法人税及び消費税は、最長で確定申告期限まで猶予
延滞税はかかるの?
猶予期間に対応する延滞税はかかりません。(国税通則法63条1項)
すでに納期限が到来している場合・・・災害等により納付困難となった場合の納税の猶予について(国税通則法第46条2項)
今般の豪雨により被害を受けたため、納期限が経過した国税を納付することが困難な場合、または上記1.により納税の猶予を受けてもなお納付することが困難である場合は、税務署に申請をすることで納税の猶予を受けることができます。
適用を受けるための要件は?
納税の猶予を受けるための要件は次のとおりです。
〇災害その他やむを得ない理由に基づき、国税を一時に納付することが困難なこと
〇税務署に対し「納税の猶予申請書」を提出すること
納税の猶予期間はどれくらい?
原則として1年以内となりますが、やむを得ない理由があると税務署が認めたときは更に延長も可能となります。
ただし、既にこの規定による納税の猶予を受けた期間と合わせて2年以内が限度です。
延滞税はかかるのか?
猶予期間に対応する延滞税の全部又は一部が免除されます。
全部か一部なのかは税務署の判断となります。
担保が必要になるの?
この納税猶予の場合には、原則として担保が必要となります。
ただし、猶予金額が 100 万円以下の場合、猶予の期間が3か月以内の場合、又は担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合は不要となります。
【執筆後記】
また台風が接近しているようです。
明日から大荒れの天気のようですので危ないと思ったらすぐに避難をお願いいたします。