2016年はマイナス金利政策の導入により、もともと低金利であったものが更に金利が下がる状況となりました。
これを機会に住宅ローンの借換えを行い金利の圧縮をされた方も多いと思います。
そこで今回は借換えを行ったときの住宅ローン控除のやり方、注意点などをご紹介したいと思います。
借換えをした時の住宅ローン控除の要件
住宅ローン控除の対象となる住宅ローンは、住宅の新築、取得又は増改築等のために直接必要な借入金又は債務でなければなりません。
そのため借換えをした後の住宅ローンは、従前の住宅ローンを返済させるために借りるものですので、原則的には住宅ローン控除の対象とはなりません。
しかし、このような場合であっても、以下の全ての要件を満たすものであれば、引き続き住宅ローン控除を受けることができます。
(1) 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
(2) 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅ローン控除の対象となる要件に当てはまること。
借換えをすると住宅ローン控除の適用となる期間がリセットされて、適用期間が延びるのではと思う方もいるかもしれません。
実際はそうではなく、住宅ローン控除の適用期間は、当初の住宅ローンで適用を受けていた期間を継続し、最長10年となりますので注意してください。
住宅ローン控除の計算方法はどうなるの?
実際に上記の要件を満たした場合には、控除を受けられる金額はどのように計算するのでしょうか。
住宅ローン控除の控除金額は、「住宅ローンの年末残高×〇%」となりますので、年末残高がいくらになるかが重要となります。
以下のようにパターンが分かれ、年末残高の考え方が変わりますので見ていきましょう。
新たな住宅ローンの借入時の残高が従前の住宅ローンの借換え直前の残高以下であるとき
この場合には素直に考えて、借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高により住宅ローン控除の計算を行います。
新たな住宅ローンの借入時の残高が従前の住宅ローンの借換え直前の残高よりも大きいとき
この場合には以下のような計算式で少し計算に手を加えます。
住宅ローン控除の適用対象となる金額は、あくまで当初の住宅ローンの金額に対してなので、借換えにより新たな住宅ローン金額が、借換え直前の当初の住宅ローン残高よりも大きい場合には、上記の算式により調整を加えることになります。
まとめ
〇住宅ローンの借換えをした場合でも、一定の要件を満たせば引き続き住宅ローン控除の適用を受けることが出来る。
〇借換え後の住宅ローン金額が当初の住宅ローンの金額よりも大きくなるような場合には、住宅ローン控除の計算において調整が必要となるので注意が必要。