昨年、改正年金機能強化法が施行され年金の受給対象者が増加しました。
今回の内容で年金をもらうために必要な保険料の納付期間を覚えて貰い忘れのないようにしましょう。
新たに64万人が年金受給
年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を25年から10年に短縮する改正年金機能強化法が成立しました。
これに伴い老齢基礎年金の納付期間は25年から10年に短縮され、平成29年8月から施行されています。
日本では「無年金者」(無年金見込者含む)は118万人と推計されています。
65歳以上の無年金者の約6割は保険料納付期間が10年未満です。
25年の年金受給資格期間を充たさない無年金の高齢者も、10年以上の加入期間(免除・猶予・カラ期間を含む)があれば、保険料を納めた期間に応じた年金が支給されます。
外国の年金加入期間
外国での年金受給資格期間は、アメリカの約10年、イギリスでは一定以上の収入の人が加入する事となっており加入期間は特になく、ドイツの加入期間は5年、フランスやスウェーデンは加入期間の決まりはありません。
今後少子高齢化の日本では労働力人口が減少することから、他国からの外国人の受け入れ人数が増えて行くものと考えられます。
外国人でも日本に居住していれば、20歳から60歳未満の間は日本の年金に強制加入が基本です。
日本の年金受給資格を得られない多くの外国人の方は、一時金で受け取れる「脱退一時金」を請求することが一般的でした。
しかし、H29年8月から老齢年金の受給資格期間が25年から10年に短縮された影響で、日本の老齢年金を受給することができる外国人の方が増加すると考えられます。
いくら受給できるか?
法改正により新たに年金を受給できるようになるのは、保険料を払った期間が10年以上25年未満の人で、過去にさかのぼっては受給できません。
年金額は保険料の納付期間に応じて支払われます。
国民年金の場合は加入期間が10年で月約1万6千円、20年で約3万2千円、40年では満額の6万5千円となっており、10年で支給された額では生活費の補てん程度にしかなりません。
また、10年で受給ができるなら満額まで納めなくともよいと考える人も出てきそうです。
手続は加入が10年以上あった方は年金の請求書が送られてきますので、記入押印して年金事務所に提出します。
しかし、保険料免除やカラ期間を含めて10年以上になる方には請求書は送られてこないので自身でカラ期間の確認を行い、請求する事が必要ですので注意が必要です。
資格期間が10年未満の場合
資格期間が10年未満の場合であっても、以下の点を考慮すれば受給できる可能性がありますので確認をしてみてください。
1. 年金加入記録に漏れがある
2. 60歳から65歳まで任意加入する(昭和40年4月1日以前生まれの方は70歳まで)
3. 後納制度を使い、未納期間を解消する(5年後納は平成30年9月までの時限措置)
4. 合算対象期間がある