平成28年度税制改正項目の一つであった「所得税における控除証明書の電子化」の内容が具体化してきました。平成30年分の年末調整や確定申告に添付する保険料控除証明書等は、郵送された「はがき」以外にも、自分でプリントした電子証明書も可能になります。
今回は、年末調整や所得税の確定申告で書面で添付する必要があった各種控除証明書の電子化についてみていきます。
生面保険料控除証明書等の電子的交付・電子化(電子的提出)の概要
概要
所得税の確定申告や年末調整で生命保険料控除、地震保険料控除又は寄附金控除の適用を受ける場合には、従来までは、保険会社や寄附金の受領者から書面(ハガキ等)により交付を受けた控除証明書等を、申告書等に添付等する必要がありました。
平成30年分以後においては、保険会社等からメールやインターネット等の方法により交付を受けた控除証明書等(以下「電子的控除証明書等」といいます。)を一定の方法により印刷した電磁的記録印刷書面(以下「QRコード付控除証明書等」といいます。)による提出が可能となりました。
また、平成31年1月以後に平成30年分以後の確定申告をe-Taxで送信する場合には、電子的控除証明書等をそのまま添付して送信することができるようになります。
今後の予定
国税庁から発表された今後の予定では、順次次のようなことが可能になってきます。
○平成32年(2020年)10月以後に年末調整の際に給与所得者の保険料控除証明書を給与の支払者に電子的に提出(送信)する場合(以下の図の④の提出を電子的に行う場合)には、電子的控除証明書等を添付して提出(送信)することができるようになる。
保険会社等から電子的控除証明書等の交付を受けた場合に出来ること
所得税の確定申告をe-Taxでする場合に電子データのまま提出できる
保険会社等から交付を受けた電子的控除証明書等については、平成30年分以後の確定申告書を平成31年1月以後e-Taxで送信する場合に、そのまま添付書類としてオンライン送信することができるようになります。
QRコード付控除証明書等を作成すれば確定申告や年末調整で提出できる
平成30年分以後において、確定申告書や年末調整の際の給与所得者の保険料控除証明書を書面により提出する場合には、電子的控除証明書等を一定の方法により印刷したQRコード付控除証明書等を作成して提出することも可能となります。
このQRコード付控除証明書等は、「QRコード付証明書等作成システム」を利用して作成することができます。
対応している各種証明書は以下になります。
・生命保険料控除証明書
・地震保険料控除証明書
・寄附金の受領証
控除証明書等の電子的交付・電子化(申請)のまとめ
〇従来の書面タイプの控除証明書の他に、保険会社等から「電子的控除証明書」を取得できるようになる。
〇「電子的控除証明書」と、国税庁が用意したシステムを用いて、「QRコード付控除証明書等」を作成することができる。
〇平成30年分以後の所得税の確定申告書や年末調整時に提出していた書面による保険料控除証明書に取って代わり、「電子的控除証明書」や「QRコード付控除証明書等」を利用することができる。
手続きにおける各証明書等の提出可否について、国税庁の資料をもとに以下の表にまとめました。
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