法人事業税は、事業の内容や法人の種類、期末資本金又は出資金の額により、課税される事業税の種類が変わってきます。今回は事業税の種類のうち「外形標準課税」について、その概要を見ていきます。
法人事業税の概要
法人事業税は地方税(道府県税)になり、法人が都道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う場合に納税義務が生じることになります。
法人事業税の課税標準は、その法人の行う事業、法人の種類、期末資本金の額又は出資金の額などに応じて異なってきます。そして、その課税標準の内容により、「所得割」、「付加価値割」、「資本割」、「収入割」等が課されることになります。
例えば、電気・ガス供給業、保険業を営む法人を除き、期末資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人は「所得割」のみが課されるのに対し、期末資本金の額又は出資金の額が1億円超の法人については、外形標準課税対象法人として「所得割」、「付加価値割」「資本割」が課されることになります。
外形標準課税について
課税の趣旨と概要
法人の行う事業に対して課税する事業税は、法人が事業を行うにあたって享受する行政サービスの経費負担としての性格を有しています。そうすると、仮に法人の損益が赤字であったとしても享受したサービスに対応する税額は支払うべきとの考え方があり、これに応えるべく登場した課税方式が所得以外の外形基準を課税標準とする「外形標準課税」になります。
具体的な内容としては、付加価値額を課税標準とする「付加価値割」と資本金等の額を課税標準とする「資本割」があります。その他「所得割」についてはも課税されますが、外形標準課税の適用対象法人に課される所得割の税率については、付加価値割、資本割が課されるため、所得割のみが課される法人に比べて低い割合が定められています。
外形標準課税の適用対象法人
外形標準課税が適用される法人は、その事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人になります。
ただし、公益法人等、人格のない社団等及び特別法人、収入割のみが課税される法人(電気・ガス供給業、保険業を営む法人)については適用されません。
法人事業税の課税区分
事業の内容 | 法人の種類 | 期末資本金又は出資金の額 | 課税される事業税の種類 |
下記以外 | 公益法人等、人格のない社団等、特別法人など | ー | 所得割 |
上記以外 | 1億円以下 | ||
1億円超 | 所得割・付加価値割・資本割
【外形標準課税対象法人】 |
||
電気・ガス供給業、保険業 | ー | ー | 収入割 |