オフィスのレイアウト変更により、従来あった仕切りを取り壊して、新たな仕切りを持ってオフィスを再区画するということは、比較的よくあるケースだと思います。
この場合には当然のことですが、旧仕切りの撤去費用が生じることになりますが、この撤去費用を単純に損金(費用)にしてよいのでしょうか。
質問【オフィスのレイアウト変更に伴う撤去費用】
【質問】オフィスのレイアウト変更に伴う費用の取扱い
当社では、従業員が増加したことに伴い、心機一転社内のレイアウト変更を行うことになりました。もともとあった仕切りを撤去し、新たな間仕切りをもって部屋を再区画することを業者と検討中です。ここで質問ですが、仕切りの撤去費用は損金としてしまって問題ないでしょうか?
それとも新たに設置する仕切りの取得価額として資産に計上すべきでしょうか?
ご質問への回答
古い間仕切りの撤去費用については、撤去した日の属する事業年度の損金の額に算入することになります。
解説
自社で建設等する減価償却資産の取得価額は以下の額の合計額となります。
①資産の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額
②資産を事業の用に供するために直接要した費用の額
今回の旧仕切りの撤去費用は、①・②のいずれにも該当しません。
また、法人税基本通達7-7-1には以下のような記載があります。
7-7-1(取り壊した建物等の帳簿価額の損金算入)
法人がその有する建物、構築物等でまだ使用に耐え得るものを取り壊し新たにこれに代わる建物、構築物等を取得した場合(7-3-6《土地とともに取得した建物等の取壊し費等》に該当する場合を除く。)には、その取り壊した資産の取壊し直前の帳簿価額(取り壊した時における廃材等の見積額を除く。)は、その取り壊した日の属する事業年度の損金の額に算入する。
こちらの通達は、まだ使用に耐えうる建物等の資産を取り壊し、これに代わる新たな資産を取得した場合であっても、取り壊した資産の取り壊し直前簿価は、損金に算入することができるということを示しています。
今回の仕切りの撤去費用については、こちらの通達を準用することになると考えられます。
以上から、古い間仕切りの撤去費用は、新たな仕切りの取得価額には算入せず、撤去費用が生じた日の属する事業年度の損金となります。
ただし、上記通達でも除外しているとおり、土地とともに取得した建物等の取壊費等は取扱いが異なります。
建物等がある土地を建物等とともに取得した場合において、当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額は、当該土地の取得価額に算入することになる点にご留意ください。
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